当院における輸血後肝炎2年間の成績 : R-PHA法によるHBs抗原の輸血前スクリーニングの効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
輸血用血液のHBs抗原スクリーニングを輸血前にR-PHA法により行い,輸血後肝炎の発生状況を,1975年5月より2年間にわたって追跡調査した.対象90例について,肝炎確診例は7例,疑診例を含めると12例であり,Life Table法による累積肝炎発生率は,それぞれ15.6%, 24.3%であった.しかしB型肝炎は12例中1例にすぎず,著減したといえる.さらにHA抗体の検索から輸血後肝炎中にA型肝炎は認められず,その大部分は非A.非B型肝炎であった.肝炎の潜伏期は13週以上に長びく症例が多くなりつつあり,今後ますます定期的な長期間の追跡調査が必要と思われる.輸血1,000単位あたりの肝炎発生率16.7人に比し,受血者1,000人あたりでは133.0人と高率なことは,受血者1人あたりの輸血量が8.0単位と高率なことにあると考えられ,今後肝炎発症率をさらに低下せしめるためには,献血量を400mlにすることも考慮されねばならない.
著者
-
武藤 良知
自治医科大学 血液
-
清水 勝
都立駒込病院輸血科
-
定方 正一
珪肺労災病院
-
渡辺 憙市
珪肺労災病院
-
新井 陽子
都立駒込病院輸血科
-
清水 勝
都立駒込病院 輸血科
-
定方 正一
珪肺労災病院外科
-
武藤 良知
自治医科大学輸血部
-
渡辺 憙市
珪肺労災病院外科
関連論文
- 中葉無気肺を初徴とした悪性リンパ腫の一例
- 260 Plasmaaphresisが有効であった、高度の低アルブミン血症を伴ったクリオグロブリン血症の1例。
- 168. じん肺結核性空洞の難治性とその外科的治療 (塵肺 (1))
- 324. じん肺結核症切除肺の臨床病理学的考察 : 肺切除における肺門処理の難易に関する検討 (塵肺(II))
- 508. じん肺及びじん肺結核症の肺機能 : じん肺法による心肺機能と肺内ガス混合及び肺拡散ガスとの関係 (塵肺 (1))
- 肺拡散機能の検討 : 第1報 珪肺および珪肺結核症について : 第25回日本循環器学会総会
- 吐下血で発症した十二指腸内憩室の1例
- 輸血領域の現状と今後
- 当院における輸血後肝炎2年間の成績 : R-PHA法によるHBs抗原の輸血前スクリーニングの効果
- 45. 珪肺及び珪肺結核症における胸部X線所見と肺機能の対比について (塵肺者の心肺機能)
- ES法陰性,R-PHA法陽性のHBs抗原血受血者の転帰
- HBV感染事故に対する抗HBs人免疫グロブリンの使用経験
- 劇症肝炎に対する血漿交換療法の検討 : 5症例についての経験から
- 3. 塵肺結核肺切除例の再発例についての検討 (第38回日本産業医学会総会シンポジウムの記録)
- 180. 手術により確認し得た興味ある非結核性塵肺症 (珪肺及び塵肺)
- 39. 珪肺結核の外科療法とその意義について (塵肺結核)
- 再生不良性貧血に伴つた多発性筋炎の1例
- タイトル無し
- タイトル無し
- 血漿交換術を試みた悪性眼球突出症の1例
- HLA antigens and anti-HBs response to hepatitis B vaccine.