慢性肝疾患における細胞膜系肝特異抗原および精製HBs抗原に対する細胞性免疫の意義について
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概要
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各種肝疾患患者の肝特異抗原(Lpfr II)および精製HBs抗原に対する細胞性免疫について検討した.肝特異抗原(倉田らの方法)と精製HBs抗原を添加抗原としてSobφrgらの方法で,各種肝疾患49例を対象に,白血球遊走試験(LMT)を行なった.LPfr II添加時のLMT陽性率は慢性肝疾患で41%であり,慢性化の程度にしたがって高くなる傾向を認め,血清HBs抗原陽性例の方が各疾患のなかではより高率であった.急性肝炎,HBs抗原carrierは全例陰性であった.HBs抗原添加時のLMT陽性率は慢性肝疾患で36%であり,かならずしも慢性化の程度にしたがって高率になるとは言えなかった.肝特異抗原添加時のLMT陽性例中,何らかの形でHBs抗原と関連していると考えられるものが81%をしめた.以上の成績より両抗原は細胞性免疫の形で肝疾患とくに慢性肝病変と関連を有していると推測された.また肝特異抗原をアフィニテークロマトグラフィーを用い単離することができたのであわせて報告した.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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