混合吸収媒体の溶解度増大メカニズムの考察 : LiBr・CaCl<SUB>2</SUB>系混合吸収媒体の開発
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概要
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高溶解性混合吸収媒体を開発するため, 溶質混合による溶解度増大策について, 水和現象を基にした推算と実験により検討した.<BR>溶解度は, イオンに水和する水分子, 特に構造形成領域の水和数が少ないほど高くなる傾向を示す.そこで他のイオンを添加すると構造形成領域に水和した水分子の一部が両方のイオンに共通に水和する「水和共有」現象が起こり, 余った水分子が放出される.そのため構造形成領域の水和数が減り, 溶解度が増大すると考えられる.<BR>本論文ではこの考えを基に溶解度増大のメカニズムを提案し, 混合により最大溶解度が存在することを予測した.<BR>水和数を考慮してLiBrとCaCl<SUB>2</SUB>の混合水溶液を吸収媒体に選定し, 冷却法により晶析温度を測定した.その結果モル分率 [CaCl<SUB>2</SUB>/ (CaCl<SUB>2</SUB>+LiBr)] : 025の混合比率で最大溶解度 : 68.2%が得られ, 推算値と一致した.さらに「水和共有」の存在を, 比重測定から求めた圧縮率の変化より確認した.
- 社団法人 化学工学会の論文
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