自己排除型ダイナミック膜法による未晒クラフトパルプ洗浄廃水の処理

概要

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未晒クラフトパルプ洗浄廃水は加圧下で循環させつつ支持体を通過させると自己排除型膜を動的に形成する.その自己排除型ダイナミック膜の特性を流通式セルと回分式セルを用いて 40kgf/cm2, 25℃で調べた.供給廃水中の溶解リグニンは酸性域で凝結したので膜形成および廃水の処理は酸性域以外で行うべきである.また供給廃水中に塩化ナトリウムを含むと, 溶質除去率は低下した. 適切な条件を選択することにより, 少なくとも70時間は TOC, リグニン, 色度成分および電気電導度の除去率がそれぞれ 92%, 98.5%, 99% および 80% 以上維持できた.この時水の透過流束は 4.5m3/m2・day から 1.3m3/ m2・day へ減少した。しかし水の透過流束は膜の再形成により初期の 85%に回復した. さらに水が 80.3% 回収されるまで濃縮試験を行い, その時の TOC とリグニンの全回収率はそれぞれ 83% および 97% であった. 80.3% の水回収時の透過水水質は低圧逆浸透法での水質に匹敵するものであった.
社団法人化学工学会の論文