乳化液膜法による銅の抽出に及ぼす共存物質の影響
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概要
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乳化液膜法による銅の抽出において, 外部水相中に共存する物質が抽出速度に及ぼす影響を攪拌槽を用いて実験的に検討した.実験において, 油相にはケロシン, 界面活性剤としてSpan 80, そして抽出試薬としてはLIX64NまたはSME529を用いた.外部水相中に共存する物質としては, 陽イオンとしてFe<SUP>3+</SUP>また陰イオンとしてCl<SUP>-</SUP>, NO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>およびSO<SUB>4</SUB><SUP>2-</SUP>を取りあげ, それらの濃度が抽出速度に及ぼす影響について検討した.結果は以下の通りである.1) Cl<SUP>-</SUP>イオンの存在は抽出速度を増加させるが, SO<SUB>4</SUB><SUP>2-</SUP>イオンは逆に抽出速度を減少させる.またNO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>イオンの影響はほとんどない.2) Cl<SUP>-</SUP>イオンによる抽出速度の増大はpHが2以下で顕著であり, Na<SUP>+</SUP>, NH<SUB>4</SUB><SUP>+</SUP>, Fe<SUP>3+</SUP>などの陽イオンの種類には余り影響されない.3) Fe<SUP>3+</SUP>イオンの存在は抽出速度にほとんど影響を及ぼさない.
- 社団法人 化学工学会の論文
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