妊娠中に発症した成人Still病と考えられた1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
妊娠18週で発症した成人Still病と考えられた1例を経験した.症例は30歳の女性で, 19歳に原因不明の発熱を生じ,成人Still病の発症が疑われた.妊娠18週のときより発熱,多関節痛が出現した.入院時の現症では,リンパ節腫大,肝脾腫,多関節の腫脹,可動痛を認めた.発熱時に両下腿に融合傾向の強い斑状紅斑がみられた.検査成績では,血沈亢進,好中球増加,軽度の肝機能障害, CRP強陽性,フェリチン高値などを認めた.他の発熱疾患を否定することにより成人Still病が疑われた.入院後aspirinを使用したが肝機能障害が増悪したため, naproxenに変更して肝機能障害なく軽快した.胎児に一時子宮内発達遅延を認めたが, 38週に男子を出産し母子共に異常なかった.分娩後現在まで再発はみられていない.妊娠中に発症した成人Still病は自験例を含めて6例しか報告されておらず,これらについて文献的考察を行った.
著者
-
徳永 三千子
福岡逓信病院皮膚科
-
本村 正治
福岡逓信病院内科
-
新堂 昌文
福岡逓信病院
-
石川 治英
福岡逓信病院産婦人科
-
北島 正大
福岡逓信病院産婦人科
-
出原 賢治
福岡逓信病院内科
-
武田 博子
福岡逓信病院内科
-
新納 宏昭
福岡逓信病院内科
-
新堂 昌文
福岡逓信病院産婦人科
関連論文
- 臀部に生じた Neurothekeoma : A Hybrid Tumor of Myxoid and Cellular Neurothekeoma
- 臀部に生じた Neurothekeoma
- 造血器疾患患者に併発した細菌感染症に対するImipenem/Cilastatin sodiumの単独療法と他剤併用療法との比較検討
- 慢性関節リウマチの経過中に発症した好酸球性髄膜脳炎
- 16年間持続し, Diltiazemが有効と考えられた慢性持続性心房頻拍症の1例
- アトピー性皮膚炎に対するザジテン^【○!R】の臨床効果 : 治療前後の血清ECP値およびMBP値の変動の有無に関する検討
- 180 ハイリスク妊娠の妊娠ターミネーション決定におけるパルスドプラー血流波形計測法の臨床的有用性について
- trophoblastの増殖活性に関する研究 : anti-PCNA/cyclinを用いたパラフィン包埋切片での免疫組織学的解析
- 成人男性糖尿病患者における血中副腎アンドロゲン濃度の臨床的検討
- 22. 妊娠中毒症の臨床的観察
- 22. 妊娠中毒症の臨床的観察
- プロトポルフィリン症の兄弟2症例における肝病変
- 283. 超音波子宮内膜日付診の臨床応用に関する研究
- 70. 基礎体温曲線の排卵期についての検討
- 妊娠中に発症した成人Still病と考えられた1例
- High dose methylprednisolone therapy for interstitial pneumonia in a case of Sjoegren's syndrome.