地形適応機能を備えた実建屋内移動機構の開発
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概要
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地形適応能力のある実用的なロボット用移動機構の機構的問題について述べる. 筆者等は先に, ロボット用移動機構として形状可変クローラのスケールモデル機を開発した. この移動機構は, クローラの形状変化を利用して地形変化に対し積極的に適応できる. このプロトタイプはスケールモデルであったため実用寸法の階段を移動するにはやや小さすぎ, また細部において改良すべき点もあった. そこで, 実用上の観点から機構を一新するため, 実用サイズ機を開発した.この走行車の体積はスケールモデルに比べ約4.3倍に拡大したが, 重量は2.5倍に抑えた. これは, 主要構造部品にCFRP材を適用したことと, 構造の改良による.本走行車は揺動接地機構によって路面のうねりや小さい凹凸になじみ, 車体を安定に保つことができる. この機構は特に階段走行時にクローラの履帯のスリップを防止するのに有効である. また旋回抵抗減少機構により, 補助輪を路面に押出して走行輪を浮上さぜ, 接地長さを小さくすることにより, 旋回抵抗を53%まで縮小できる. さらに, 急傾斜の階段走行と平地での高速走行を両立させるため, ロボット用変速機も装備した. このため, 高速モードでは平地で2.2km/hの速度で走行することができ, また低速モードでは傾斜角39.3°, ステップ高さ203mmの実用階段を0.44km/hの速度で昇ることができた.
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