地形変化に応じながら走行する形状可変形クローラ走行車の機構と制御
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概要
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地形変化に能動的に適応し, 障害物を乗り越えて走行したり階段を走行することができる, 移動ロボット用の小形クローラ走行車を開発した.このクローラの履帯は3個の車輪で支えられている.このうち2個の車輪は車体の側面に取り付けられているが, 残りの遊星輪と呼ぼれる車輪はメインアームとサブアーみで支えられており, 履帯で形成されるクローラ形状を変えるために, その位置を移動することができる.この形状可変能力は多くの地形適応機能, 例えば迎え角の調整, 走行車全長の短縮履帯の接地面長さの延長・車体の前・後傾などを生み出す.<BR>3個の車輪の直径が同一寸法ならば, 履帯を常に緊張させておくため, 遊星輪は楕円軌跡上を移動しなければならない.メインアームとサブアームの回転角を常に大きさが等しく方向が逆となるように制御すれば, 遊星輪は常に楕円軌跡上にある.この2つの回転角の間の関係は簡単な連動機構により実現され, 維持される.したがって, クローラ形状の制御はメインアームの回転角の制御のみで行うことができる.<BR>この走行車の自由度は3である.もし, 適応機能の数を自由度の数で割ったものを適応係数とすれば, この走行車の値は1.67である.この値は, 本走行車より多くの適応機能を持つ4クローラ走行車より大きい.この走行車は, 車体の前または底に取り付けた接触式センサを用いて, マイクロコンピュータで制御することにより, 自律的に障害物を乗りえたり, 階段を走行することができる.
著者
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中野 善之
(株) 日立製作所機械技術研究所
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中野 善之
(株) 日立製作所機械研究所
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岩本 太郎
(株) 日立製作所機械研究所
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山本 広志
(株) 日立製作所機械研究所
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本間 和男
(株) 日立製作所機械研究所
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藤江 正克
(株) 日立製作所機械研究所
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岩本 太郎
(株) 日立製作所
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山本 広志
(株) 日立製作所
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