地図生成視覚システムMARSの研究 : 実時間地図構成法の検討
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概要
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知能移動ロボットにおいて視覚センサの果たす役割は大きい. 特に歩行機械においてその本質的な長所である対地適応性を発揮するためには, 移動環境の地図を生成する視覚システムの導入が不可欠である. 筆者らはこのような地図生成型の視覚システムをMARS (Map Realization System) と呼び, すでにそのうちの重要なセンサ系の1つであるレンジファインダについて基本的な検討を行った. 本論文は, レンジファインダからの3次元情報を歩行機械に適した地形地図に構成するための基本的な手法について考察するものである. まず地形地図の表現形式について検討し, 円環メモリ表現と呼ぶ, 移動ロボットに適したメモリ空間内表記法を導入する. 次に地形地図を可視域と死角域とに分け, 可視域については逐次形の平均および平均偏差データの蓄積法の提案を行う. 死角域推定法については, 筆者らはすでに人の視覚系に関する考察から, 過去に得られた環境情報を効率的に利用する連想的推定補間法 (A補間法) を提案している. 本論文ではこれについてより実用的なレベルで再検討し, 処理の高速化を計った実時間性のある手法を提案する. 最後に提案した手法について2つの検証実験を行う. 4足歩行機械に搭載したMARSレンジファインダによる第1の計測実験では, 可視域の地形地図が実時間的に生成できることを示す. 計算機による第2のシミュレーション実験では, 提案する新しいA補間法についてその基本的有効性を示す.
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