SLE抗リンパ球抗体の多様性と疾患活動性との関係
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概要
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SLE血清中に存在する抗リンパ球抗体について,正常人末梢リンパ球より分離したリンパ球subpopulationをtarget cellとして用い,その細胞傷害性を検討した結果Tγ cellに対しては81.1%, Tγ (一) cellに対しては76.2%, B cellに対しては71.4%に陽性血清が見い出され,それぞれの平均傷害率は57.6%, 62.0%, 41.5%であった.さらにCon A Sepharose処理によるIgM抗体吸収実験より,抗リンパ球抗体の免疫グロブリンクラスを検討したところ, Tγ cellに対する抗体およびBcellに対する抗体にはIgGが約50%含まれているのに対し, Tγ (一) cellに対する抗体のIgG抗体のしめる割合は少なく, IgMが約80%含まれていることが明らかとなった.つぎにCH50,流血中immune complex,抗2本鎖DNA抗体価との関連を検討した結果, Tγ cellに対する抗体でIgG抗体が含まれていると老えられる群では,低補体, immune complex陽性,抗2本鎖DNA抗体価高値のものが多く, IgM抗体群では補体値は正常範囲, immune complexは陰性,抗2本鎖DNA抗体価も低値であり, IgG抗体群とIgM抗体群の間には明らかな差が認められた.同一患者血清を活動期から寛解期に追跡した結果では,活動期に一致して, Tγ cellに対する抗体はIgGが優位であり,寛解期に移行するにつれてIgG抗体の低下とIgM抗体の上昇がみられた.以上のように,活動期SLE患者血清中に出現するanti Tγ cell IgG抗体は,種々の自己抗体の出現と一致しており, suppressor T cell機能異常に深くかかわっていると考えられた.
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