結腸重積症を来した脂肪腫の2例
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概要
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消化管に発生する脂肪腫は比較的稀な疾患であるが,そのうち大腸に発生するもめは欧米では消化管中高頻度であるのに対して,本邦では胃・小腸に次いで第3位の頻度にみられるようである.我々も結腸脂肪腫を2例経験したが,ともに腸重積を合併していた.症例1は54歳女性で,腹痛を主症状としレントゲン検査で盲腸部の腫瘍と腸重積が判明し結腸右半切除術を施行,腫瘍は5.0×3.5×3.5cm大の脂肪腫であった.症例2は68歳女性で,腹痛を主症状とし同様にレントゲン検査により下行結腸の腫瘍と同部の腸重積が判明し,左側結腸切除術を施行,腫瘍は1.7×1.6×1.0cm大の脂肪腫であった.以上のように我々の症例はいずれも腸重積を合併したものであるが,本症の腸重積合併率は高く,本邦症例では51例中25例(49%)にその合併がみられる.従って,成人の腸重積ことに結腸重積症の場合には,脂肪腫の存在を疑う必要があると考える.
著者
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松本 孝一
和歌山県立医科大学 外科
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田中 晋二
和歌山県立医科大学消化器外科
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庄司 宗弘
和歌山県立医科大学消化器外科
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浦 伸三
和歌山県立医大消化器外科
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勝見 正治
和歌山県立医大消化器外科
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津秦 健治
和歌山県立医科大学消化器外科
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庄司 宗弘
和歌山県立医大消化器外科
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