直腸低位前方切除術における縫合不全防止に関する実験的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
直腸癌に対し低位前方切除術が広く行われているが, その重要な合併症である縫合不全の発生はいまだ高率である. そこで雑種成犬を用い低位前方切除術を行い, 吻合部口側結腸の血流量を中心に縫合不全発生因子ならびに防止対策について研究した. イヌ結腸筋層組織血流量は正常で91ml/min/100gで, 支配血管を切離すると約50%に減少した. この血流障害のある腸管で Gambee 一列吻合, 器械吻合の二者を行って比較すると, 縫合不全の点で器械吻合の成績が優れていた. また吻合部を大網で patch すると縫合不全は減少し, 耐圧力の上昇がえられた. その結果低位前方切除術で血流量が低下している腸管吻合の場合, 器械吻合を行いさらに大網で吻合部を patch する事が最も縫合不全を少なくする方法であると考えられた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1982-07-01
著者
関連論文
- 直腸低位前方切除術における縫合不全防止に関する実験的研究
- 32. Wilms 腫瘍に対する血管造影の意義についての検討(第 10 回九州小児外科学会)
- 15. Wiedemann-Beckwith 症候群の 4 例(第 14 回日本小児外科学会近畿地方会)
- 272 潰瘍性腸病変における門脈内ガス移行に関する実験的研究(第13回日本消化器外科学会総会)
- 224. 腸吻合における電気メス使用の影響(第7回日本消化器外科学会大会)
- 204 血流量と腸吻合(第15回日本消化器外科学会総会)
- III-C-4 腹壁異常11例の検討
- V-22. 結腸縫合不全対策としての縫合糸間隔と耐圧試験について(第9回日本消化器外科学会総会)
- B-28 小児腹部悪性腫瘍に対する血管造影所見読影上の問題点 : 特に手術の適応の面から
- C-24 乳幼児に対する腹部動脈撮影法の一考案 : combined selective and aortic arteriography(悪性腫瘍一般)
- B9. 乳幼児に対する選択的動脈撮影の診断的意義(腫瘍 (II))
- 166 細菌性腹膜炎下の結腸縫合創の治癒状態に関する実験的研究(第16回日本消化器外科学会総会)
- 1. 胆嚢手術時の縫合糸の重要性(第1回日本胆道外科研究会)
- 26. 胃潰瘍に対する迷切の再評価(第7回日本消化器外科学会大会)
- 34. 小児消化性潰瘍の 3 手術治験(第 9 回近畿地方会)
- F-8 新生児脾臓摘出の問題点 : とくに術後の脳脊髄膜炎について(脾・膵・その他)
- 117. 外科疾患児が描く人物画による性格テストについて(術前・術後の管理)
- 直腸原発Linitis Plastica型癌の1例
- 回盲部巨大潰瘍の1症例
- 結腸重積症を来した脂肪腫の2例
- 直腸鏡による和歌山県地域住民集団検診
- タイトル無し
- II. Chinicopathological Study on Coecum Cancer in Misdiagnostically Appendicectomized Patients
- 1. Clinical Studies of Resting Pressure and Rhythmical Activity of the Anal Canal in Patients with Anal Diseases