TraxanoxのC57BL/6マウスにおける抗体産生系に対する作用
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概要
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ヒツジ赤血球(SRBC)に対しlower responderであるC57BL/6マウスに5×10<SUP>8</SUP>個のSRBCを腹腔内投与して免疫した.traxanox 10および30 mg/kgを免疫当日および1日目に経口投与すると,SRBCで免疫後7日目の脾および胸腺ロゼット形成細胞(RFC)の産生は亢進した.免疫後7日目の脾RFCを同系マウスに移入すると,免疫後4日目のrecipientマウス脾溶血斑形成細胞(HPFC)の産生は抑制された.traxanox 30 mg/kgを投与したマウスの脾RFCを移入してもHPFC産生は抑制されなかった.同様の結果は胸腺摘出したrecipientマウスを用いても得られた.また,抗Thy 1.2または抗Lyt 2.2抗体および補体で処理した脾RFCを移入すると,HPFC産生は抑制されなかった.一方,traxanoxを投与したマウスの脾RFCを抗Lyt 1.2抗体および補体で処理し,この細胞を移入すると,HPFC産生は抑制された.traxanox(3および30 mg/kg)は胸腺摘出マウスの脾Thy 1.2陽性RFC産生を亢進させた.以上の知見から,traxanoxはC57BL/6マウスではLyt 1.2陽性細胞(ヘルパーT細胞)の誘導促進により,SRBCに対する免疫応答を増強させるものと推定される.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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