酢酸潰瘍の再発・再燃に及ぼす防禦因子増強薬物 Proamipide の効果
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概要
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ラットにおける慢性胃潰瘍モデルである酢酸潰瘍を作製後180日間長期観察することにより再発あるいは再燃の状況を把握し,防禦因子を増強する薬物である proamipide が酢酸潰瘍の長期経過に与える影響について検討した.対照群において潰瘍係数の急速な減少と治癒指数,粘膜再生指数および膠原線維発育度指数の増加が潰瘍作製後5日から60日目まで観察されたが,その後120日から140日目にかけて悪化した.このことから120〜140日目にかけて潰瘍の再発再燃が推察された.一方,proamipide 20mg/kg/day 経口投与群においては,潰瘍係数およびいずれの組織学的指標においても逆転現象は見られず,対照群に対し有意に改善されていた.このことから proamipide 群においては再発再燃が予防されたと考えられた.再発時期の完全治癒例を対象にした腺管係数の検討の結果から,対照群の瘢痕では再生粘膜辺縁部分が中央部に比較して有意に低く同一瘢痕内に粘膜再生のずれが認められたのに対し,proamipide 群の瘢痕では均一な再生粘膜により被覆されていた.このような瘢痕内の再生粘膜の状態が潰瘍の再発に関し重要な役割を担っているものと推察された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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大柴 三郎
大阪医科大学第2内科学教室
-
平田 一郎
大阪医科大学
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山崎 勝也
大塚製薬(株)徳島研究所応用研究部
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白木 正裕
大阪医科大学第2内科
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石山 広信
大塚製薬(株)徳島新薬第2研究所
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神辺 敏実
大塚製薬(株)徳島新薬第2研究所
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藪内 洋一
大塚製薬(株)徳島新薬第2研究所
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浅田 修二
大阪医科大学第2内科
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平田 一郎
大阪医科大学第2内科
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山崎 勝也
大塚製薬(株)徳島新薬第2研究所
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大柴 三郎
大阪医科大学第2内科
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