実験的脳梗塞ラットの放射状迷路学習障害に及ぼす Idebenone および Indeloxazine Hydrochloride の影響
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概要
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放射状迷路課題における実験的脳梗塞ラットの学習障害に及ぼす idebenone および indeloxazine hydrochloride の影響を検討した.実験的脳梗塞ラットは放射状迷路課題において著しい学習障害を示した.すなわち,偽手術対照群に比べ正反応数の減少および誤選択数の著明な増加を示した.特に実験的脳梗塞ラットは,既選択アームの再選択による誤反応の増加(作業記憶障害)が顕著であった.実験的脳梗塞ラットのこのような学習障害に対し,idebenone(30mg/kg,p.o.)は,正反応数の増加および誤選択数の減少によって示される著明な学習改善作用を示した.indcloxazine hydrochloride(20mg/kg,p.o.)は,正反応数には無影響であったが誤選択数を軽度減少させた.両薬剤のこのような作用は,脳組織障害により低下した脳機能の改善によるものと考えられる.以上,本実験により idebenone および inde-loxazine hydrochloride は,実験的脳梗塞ラットの放射状迷路学習障害(空間認知障害)を改善すること,また臨床適用量を考慮した本実験条件においてその作用は idebenone においてより顕著であることが明らかになった.
著者
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永岡 明伸
武田薬品工業(株)創薬第一研究所
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宮本 政臣
現所属:生化学工業(株) 研究開発本部
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宮本 政臣
武田薬品工業(株)
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清田 義弘
武田薬品工業(株)中央研究所
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永岡 明伸
武田薬品工業(株)中央研究所
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