脳卒中易発症系高血圧自然発症ラットにおける赤血球寿命および溶血反応に及ぼすIdebenone(CV-2619)の影響
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概要
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脳卒中易発症系高血圧自然発症ラット(SHRSP)における赤血球寿命および赤血球溶血反応に及ぼすCV-2619の影響について検討した.SHRSPの赤血球寿命は,Wistarラット(WKY)のそれに比して署明に短縮しており,WKYの赤血球半減期,14.8±0.5日(n=6)に対して,SHRSPのそれは11.7±0.4日(n=11)であった.CV-2619,0.1%(w/w)を含む飼料(71mg/kg/dayに相当)でSHRSPを飼育した場合,SHRSPの赤血球半減期は,13.8±0.1日(n=5)となり,正常値に近づいた.CV・2619の低用量(21.9mg/kg/day)も半減期を正常化する傾向を示した(12.7±0.4日,n=5).赤血球溶血反応は食塩負荷SHRSPを用いて検討した.SHRSPの溶血反応もWKYのそれに比して著明に亢進しており,CV-2619(20.0および70.0mg/kg/day)を2週間経口投与した場合,CV-2619の用量に依存して溶血反応の抑制が認められた.以上の成績から,CV-2619の赤血球膜に対する安定化作用が示唆され,また,本薬剤の脳卒中治療に対する有用性が推察された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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永岡 明伸
武田薬品工業(株)創薬第一研究所
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柴生田 正樹
武田薬品工業中研
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寿野 正廣
武田薬品工業(株)中央研究所
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永岡 明伸
武田薬品工業(株)中央研究所
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柴生田 正樹
武田薬品工業(株)中央研究所
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