Succinate存在下脳ホモジネートにおける過酸化脂質生成に及ぼすIdebenoneならびに各種脳機能改善剤の作用
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概要
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脳ホモジネートを用いてidebenoneならびに各種脳機能改善剤の過酸化脂質(LPO)生成に及ぼす影響について検討した.idebenoneは,ラット脳ホモジネートにおけるLPOの生成を濃度依存的に抑制した.IC50は38μMであった.このidebenoneのLPO生成抑制作用は,ミトコンドリア呼吸系の基質,succinateの添加によって著明に(約100倍)増強された.succinateの至適濃度は0.5mMであった.succinate存在下および非存在下における各種脳機能改善剤のLPO生成に及ぼす影響を調べたところ,succinate非存在下,薬物濃度100μMでは,idebenone>vinpocetine>bifemelane>indeloxazine>calcium hopantenateの順でLPO生成抑制作用が認められた.一方,succinate存在下では(薬物濃度,1μM),idebenoneにのみ作用が認められ,他の薬剤にはほとんど作用は認められなかった.以上の結果から,idebenoneは脳ホモジネートにおいて,succinateにより活性化を受け,LPO生成抑制作用を発現することが示唆された.また,他の薬剤は,多くはそれ自身でLPO生成抑制作用を有するものの,succinateによる活性化は受けないものと推察された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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永岡 明伸
武田薬品工業(株)創薬第一研究所
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寿野 正廣
武田薬品工業(株)中央研究所
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永岡 明伸
武田薬品工業(株)中央研究所
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永岡 明伸
武田薬品工業(株)中央研究所生物研究所
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寿野 正廣
武田薬品工業(株)中央研究所生物研究所
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