選択的Cyclic 3,5-monophosphate phosphodiesterase 抑制薬,Rolipram(ME3167)の脳波学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
選択的cychc3,5-monophosphate (cAMP) phosphodiesterase抑制薬rolipram(ME3167)の脳波作用を,慢性電極を植込んだ無麻酔ウサギを用いて,行動の観察と同時に調べた.rolipram 1〜3μg/kgの静脈内投与では自発脳波に変化はみられなかった.10〜100μg/kgの静脈内投与により,自発脳波は,皮質および扁桃体では低電圧速波となり覚醒波が持続した.海馬では,投与後から規則正しいθ波の同期波が持続し,海馬脳波の電圧が増加した.rolipram(100μg/kg)投与後は,動物は行動上興奮状態となり,しぼしぼ体動を示した.rolipram投与後,音刺激(2000Hz,5秒間)あるいは中脳網様体および視床下部後部の電気刺激(100Hz,0.1msec,3〜5V,5秒間)によって誘発される脳波覚醒反応に変化は観察されなかった.rolipramは,閃光刺激(2Hz,10秒間)によって後頭葉皮質上に誘発される光誘起反応,視床内側中心核の低頻度刺激(7Hz,0.1msec,5〜iov,10秒間)による漸増反応にも著明な影響を与えなかった.大脳辺縁系の海馬電気刺激(50Hz,0.5msec,5〜10V,5秒間)による後発射は,rolipramによって軽度増強された.以上,rolipramは,低用量で脳波の覚醒パターン化を起こすが,脳波覚醒反応や光誘起反応に対する作用を有しない薬物である。
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
関連論文
- Zingiber mioga ROSCOEの薬理学的研究 : Thiopental睡眠時間ならびに脳内自己刺激行動に及ぼす影響
- 無麻酔・無拘束実験高血圧動物における,新規α1-アドレナリン受容体遮断薬,Naftopidil(KT-611)の抗高血圧作用
- 血管緊張度の神経性調節におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチドの役割 : 第57回日本循環器学会学術集会 : 循環調節機構:中枢と末梢の役割
- 新規抗うつ薬Milnacipran hydrochloride(TN-912)の脳波および循環器に対する作用
- 新しいベンゾジアゼピン系催眠薬Sch161(Quazepam)の脳波学的研究
- カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)による血管緊張調節について
- 選択的Cyclic 3,5-monophosphate phosphodiesterase 抑制薬,Rolipram(ME3167)の脳波学的研究
- 新規非ベンゾジアゼピン系抗不安薬,SC-48274の脳波学的研究
- 新規非ベンゾジアゼピン系抗不安薬,Buspironeおよびその代謝物1-(2-Pyrimidinyl)piperazine(1-PP)の脳波学的研究