新規非ベンゾジアゼピン系抗不安薬,SC-48274の脳波学的研究
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概要
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新規非ベンゾジアゼピン系抗不安薬であるSC-48274の脳波作用を慢性電極植え込み無麻酔ウサギを用いてbllspironeおよびdiazepamと比較した.SC-48274(10〜30mg/kg,i.v.)投与により自発脳波は皮質および扁桃体では高電圧徐波,海馬ではθ波の脱同期化が起こり傾眠パタ―ン化した.diazepam(2〜3mg/kg,i.v.)でも自発脳波は傾眠パタ―ンとなったが,SC-48274に比較して強かった.buspirone(0.5mg/kg,i.v.)では,皮質および扁桃体の脳波は低電圧速波となり覚醒波が持続し,海馬では海馬θ波の電圧低下とその同期波が持続した.自発脳波のパワースペクトル解析では,SC-48274投与後,皮質では低周波成分(1〜2Hz)の増加と海馬θ波のピークパワーの低下がみられたが,θ波のピーク周波数の移動はみられなかった.diazepamでは皮質脳波の低周波成分の著明な増加,海馬θ波のピークパワーの低下と周波数の低周波側への移動が観察された.buspironeでは海馬θ波のピークパワーは投与初期に低下し,その後は増大したが,周波数の移動はみられなかった.SC-48274とdiazepam投与後ウサギは行動上鎮静状態を示したが,buspirone後では興奮状態がみられた.SC-48274およびbusphoneは音刺激あるいは中脳網様体および視床下部後部電気刺激による脳波覚醒反応に影響を与えなかったが,diazepamはいずれの刺激による反応も抑制した.光誘起反応はSC-48274とbuspironeによって影響されなかったが,diazepamはこの反応を抑制した.SC-48274,bu8pirone,diazepamのいずれも視床内側中心核電気刺激による漸増反応に著明な影響を与えなかった.海馬電気刺激による後発射はSC-48274(20mg/kg)投与で持続の軽度抑制,diazepamでは著明に抑制され,buspironeでは軽度増強された.以上,SC-48274はdiazepamやbusphoneとは質的に異なった脳波作用を示し,しかも,脳波作用が少ない抗不安薬と考えられる.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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