新β遮断薬Acebutololのβ<SUB>1</SUB>選択性に関する生化学的研究
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概要
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Acebutololのβ遮断作用およびβ<SUB>1</SUB>選択性を検討するため,ラットの糖,脂質代謝系ならびにイヌの心筋および肝臓のadenylate cyclase活性におよぼす影響をpropranolo1と比較した.Acebutololはadrenalineによるラット血清中乳酸の上昇を抑制し,β遮断作用を示したが,propranololと比較すると約1/6の強さであった.Adrenalineによるラット血清中グルコースおよび遊離脂肪酸の上昇に対し,accbutololは遊離脂肪酸上昇をより選択的に抑制する傾向を示し,また1-isoproterenolによるイヌ心筋および肝臓のadenylate cyclase活性の上昇に対するacebutololの抑制作用は心筋adenylate cyclase活性により顕著であった.一方,propranololは心筋および肝臓のadenylate cyclase活性の上昇をいずれもacebutololより強く抑制したが,両臓器間に抑制作用の明らかな差は見出せなかった.以上の成績から,acebutololのβ遮断作用はpropranololに比較して弱いが,強い心臓選択性を持つことが示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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能勢 尚志
鐘紡株式会社 薬品研究所
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伊藤 敬三
鐘紡株式会社薬品研究所
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浜田 陽一郎
鐘紡薬品研
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佐藤 巌
鐘紡株式会社薬品研究所
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浜田 陽一郎
鐘紡株式会社薬品研究所
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桑原 慎一
鐘紡株式会社薬品研究所
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古嶋 靖夫
鐘紡株式会社薬品研究所
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金子 和世
日本ローディァ株式会社
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堀 博昭
日本ローディァ株式会社
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