マウスの移所運動促進効果からみたMethamphetamine反復投与による逆耐性現象とドパミンD<SUB>2</SUB>遮断薬Mosapramine(Y-516)の併用効果について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
metllamphetamine(MAP)反復投与による逆耐性現象(増感現象)に対するmosapramine(Y-516)の併用効果にっいて,マウスの移所運動促進効果を指標として,clocapramine(CCP),bromperido1(BPD)およびchlorpromazine(CPZ)と比較検討した.Y-516(0.3,1.3,10mg/kg),CCP(3,10,30mg/kg),BPD(0.1,0.3,1.0mg/kg),CPZ(1,3,10mg/kg),および溶媒である0.5%methylcellulose(MC)のみをそれぞれ30分前に経口投与し,その後さらにMAP2mg/kgを皮下投与し3時間にわたって移所運動活性を観測した.各薬物の各用量投与の実験については3〜4日間隔で5回繰り返し実施した.また最終投与3〜4日後,MAP2mg/kgのみを投与し移所運動活性を観測した.0.5%MCとMAPの併用投与群では処置回数に比例して移所運動促進効果は増強し,逆耐性が形成された.これに対して,Y-516と比較薬前処置群ではMAPによる移所運動促進効果は用量依存的に拮抗された.しかし移所運動促進効果は,MCとMAPの併用群にくらべると抑制されてはいたが,反復投与によって徐々に増強し,逆耐性は完全に阻止されなかった.MAPの移所運動促進効果に対する抑制効果から推察されるY-516の効力は,CCPの4〜5倍,BPDの0.07〜0.1倍,CPZの1.2〜1.8倍であった.最終投与3〜4日後のMAPのみの投与実験においては,Y-5161〜10mg/kg,CCP10と30mg/kg,BPD0.3と1mg/kg,およびCPZ1〜10mg/kg反復併用投与群で,MC反復併用投与群にくらべ移所運動促進効果が有意に弱く,用量依存的に逆耐性の形成を抑制した.以上のことよりY-516は,比較薬と同様に併用投与した場合には,MAP逆耐性形成を抑制すると考えられた.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
関連論文
- 行動科学的にみたプラセボ効果の発現機序について
- 甲状腺と学習行動 (第3回神経内分泌シンポジウム) -- (ホルモンと行動-1-)
- 急性毒性の検討を目的としたオペラント行動の利用 (第一回毒作用研究会記事)
- ホルモンと行動 (医学の動向) -- (代謝,内分泌)
- 精神安定薬の作用機序を中心として (向精神薬) -- (向精神薬の薬理)
- 群馬大学学生における温泉利用の実態調査
- 群馬大学学生における甲状腺腫についての一調査
- 群馬大学学生におけるアレルギー性鼻炎の罹病頻度に関する一調査
- 群馬大学学生の運動部員と非運動部員における健康状態及び体力の比較
- 群馬大学学生の食生活に関する一調査
- 群馬大学学生の外傷の実態調査
- ラットの条件回避学習とカテコールアミン受容体 : 第3回 Behavioral Teratology 懇話会
- 頭がよくなる薬,ボケない薬 (知能って何だろう?)
- 幼若期にクロールプロマジンの投与を受けたラットの成熟後にみられる学習障害とカテコールアミン受容体の変化
- ラットの学習障害を中心とした行動異常の検出と行動奇形学への応用
- 5.行動薬理学から見たbehavioral teratologyへの要望 : Behavioral Teratology
- 反復投与によって変わる薬物効果と環境
- オペラント条件づけを利用したラット学習行動観察方法
- ストレスとは何か--誘発要素とメカニズム (ストレスを科学する--メカニズムと最近の話題)
- 薬物乱用の薬理学と弊害 (ドラッグ・エデュケ-ション)
- 覚醒剤依存・乱用 (嗜癖症)
- 動物実験でみる薬物依存 (嗜癖症)
- 薬物依存の薬理学的基礎 (嗜癖症)
- 薬物乱用の行動薬理学
- 行動毒性学
- 麻薬等薬物乱用の根絶を目指して
- 下垂体摘出に伴うラットの移所運動および飲水行動リズムの変化について〔英文〕
- 暗期点灯により照明周期を乱した場合ラットの行動リズムの変化
- 雌ラットの性成熟過程における行動活性リズムの変化
- 平面ケ-ジおよび回転かごケ-ジで測定した雌ラットの生活行動リズムの相違について
- ラットのSidman回避反応の変化からみた向精神薬とd-amphetamineの併用効果
- 下垂体摘出ラットにおける飲水行動の日周リズムの変化 (内分泌の臨床をめぐって)
- マウスの自発運動活性,飲水行動およびラットの条件回避反応からみたAmantadineの行動薬理作用
- ラットの条件回避反応に対する cis-N(1-Benzyl-2-methylpyrrolidin-3-yl)-5-chloro-2-methoxy-4-methylaminobenzamide(YM-09151-2)の抑制効果
- マウスの移所運動促進効果からみたMethamphetamine反復投与による逆耐性現象とドパミンD2遮断薬Mosapramine(Y-516)の併用効果について
- マウスにおけるFebarbamate(MS-543)の行動薬理作用 移所運動,能動的回避反応および受動的回避反応による評価
- 薬物の反復投与による行動効果の修飾 ―逆耐性現象を中心に―
- 薬物教育をめぐる問題点 (昭和63年度学校保健講習会) -- (思春期における保健)
- マウスにおける NC-1100; 1-(3,4-Dimethoxyphenyl)-2-(4-diphenylmethylpiperazinyl)ethanoldihydrochloride の行動薬理作用:移所運動活性および非連続回避反応に及ぼす効果
- 麻薬と覚せい剤の類似点・相違点
- マウスの移所運動活性および非連続回避反応に及ぼすBuflomedilの効果
- Schedule-induced polydipsiaを利用したラットの飲水行動からみた甘味料の効果
- マウスの移所運動活性,非連続条件回避反応および受動的回避反応からみたPropentofylline(HWA285)の行動薬理作用
- 各種中枢作用薬によるマウスの自発運動促進に対するCeruletideの抑制効果
- ホルモンと行動 (アジア大洋州内分泌学会-1-)
- 行動薬理学からみた病態モデル (精神医学における病態モデル)
- 簡便なマウス自発運動測定方法
- 三環系化合物Doxepinの行動薬理学的研究 : 3.接近-中断および接近-回避コンフリクト・スケジュールからみたDoxepinとDiazepamの作用の比較
- Methamphetamine, d-Amphetamine あるいはMorphine投与時のマウス自発運動促進効果の個体差
- ドーパミン側坐核内注入によるラットの自発運動充進に及ぼすY-516の影響
- Benzofurancarboxamide 誘導体,Y-20024 の抗精神病薬としての薬理学的特徴
- ラットのオペラント行動に対する向精神薬Penfluridolの効果
- 糖尿病と成長ホルモンの関係
- タイトル無し
- Effect of Instant Coffee on Conditioned Suppression under Fixed Ratio or Fixed Interval Schedule of Food Reinforcement in Rats
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し
- タイトル無し