新しい降圧剤,Olmidineの消化器系における作用
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概要
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ラット,ウサギおよびモルモットの消化器系におけるOlmidineの作用について検討し,以下の成績を得た.(1)Olmidineは2mg/kg i.v.ではウサギの唾液分泌に対して影響しなかったが,10mg/kg i.v.では一過性の分泌充進作用を来たし,投与前値の約3倍となった,(2)Olmidine20mg/kg i.p.は,Shayラットの分泌胃液量,遊離塩酸量,総酸度ならびに胃液pHに対して何らの作用も示さなかったが,100mg/kg i.p.では分泌胃液量,遊離塩酸量を著明に抑制し,これに対応してpHも3.33と明らかに上昇したが,総酸度に対してはほとんど影響しなかった.(3)Olmidine100および500mg/kg i.p.は用量に応じてラットの胆汁排出量を減少した.(4)Olmidineは200mg/kg以下の経口投与量で,ラットの胃粘膜に対して障害作用を示さなかった.(5)Olmidineは20〜500mg/kgの経口投与量において,ラット小腸での炭素末輸送を抑制した.(6)モルモットの摘出消化管標本において,Olmidineは収縮および弛緩の二様の作用を示し,収縮はatropineまたはscopolamine前処置により,完全に阻止されて弛緩となった.この弛緩は,phentolamineおよびpropranolol併用前処置によって抑制されることはなかった.(7)Olmidincは経壁刺激により生ずるモルモット摘出胆のう標本の収縮反応を著明に増強し,外来性acetylcholine作用に対しても軽度増強作用を示した.
著者
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久保田 哲弘
キッセイ薬品工業
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東 洋
キッセイ薬品薬理研
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玉置 博司
キッセイ薬品工業株式会社薬理研究室
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弘中 豊
キッセイ薬品工業,開発部,薬理研
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久保田 哲弘
キッセイ薬品工業,開発部,薬理研
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東 洋
キッセイ薬品工業 (株) ・開発部・薬理研究室
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玉置 博司
キッセイ薬品工業,開発部,薬理研
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東 洋
キッセイ薬品工業,開発部,薬理研
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