担子菌類の抗腫瘍作用について : 多糖の抗腫瘍効果と性差
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概要
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雌雄のマウスにSascoma 180, Ehrlich carcinoma, Pulmonay tumor 7423, NF-sarcomaなどの固型種瘍を移植すると,雌雄間の腫瘍の消長には顕著な差が認められ,雌には腫瘍の自然退縮が発現することが多かった.またprogesterone, estrogeneなどでfeminizedされた雄マウスでも同様の成績であったが, Shionogi carcinoma 42とEhrlich腹水腫瘍の増殖には性差の影響は示されなかった.固型腫瘍に対する多糖の抗腫瘍性に対しても,雌マウスに高い効果が見られたが,腹水型ではほとんど有意差は認められなかった.また担子菌由来の多糖であるATSO, Coriolan, P. GU-1などは固型腫瘍に有効であるが,海藻由来の多糖であるSPMは腹水型腫瘍に延命治癒を示し,この腫瘍より回復した動物は腹水腫瘍の再移植を拒絶するとともにSarcoma 180, Shionogi carcinoma 42, NF-sarcoma, Ehrlich固型腫瘍などの腫瘍にも抵抗性を示した.また腫瘍を移植する前にX線照射Ehrlich腹水腫瘍細胞と,多糖を併用すると,多糖の抗腫瘍効果は顕著に促進された.これには多糖のadjuvant活性,免疫促進作用などの生物活性が関与していることが推定された.これらの作用はいずれも雌に強く発現した.
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