人工カゼインミセルにおけるミセルへのカゼイン各成分の取り込み
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概要
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カゼイン濃度が2.5%の人工カゼインミセルを調製し,ミセル形成とコロイド状リン酸カルシウム(CCP)による架橋形成を調べた.なお,すべての試料においてクエン酸は10mMとし,カルシウムとリン酸は10mMカルシウムと12mMリン酸に2:1の割合で加えた.10mMカルシウム-12mMリン酸では,ミセルもCCP架橋も形成されなかった.ミセルカゼイン含量は20mMカルシウム-17mMリン酸で全カゼインの85%,30mMカルシウム-27mMリン酸では全カゼインの95%であった。CCP架橋形成とミセル形成とは必ずしも対応していなかった.低いカルシウムとリン酸濃度で形成されたミセルでは全カゼインに比べてαs1-およびαs2-カゼイン含量が高く,β-およびκ-カゼイン含量が低かった.ミセルへのカゼイン各成分の取り込みの速度は,αs2->αs1->β->κ-カゼインの順であった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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