牛の仕上げ体重が屠殺後の筋肉のpH値,乳酸,グリコーゲンおよびヌクレオチド関連物質の変化に及ぼす影響
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概要
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平均仕上げ時体重675kg(3頭)および612kg(3頭)の2群のホルスタイン去勢牛の胸最長筋を供試し,仕上げ時体重が屠殺後の筋肉の解糖系にかかわる物質の変化に及ぼす影響を調べた.その結果,屠殺後における筋肉のpH値の低下,グリコーゲンの減少,ATP等ヌクレオチドの変化から,高体重仕上げ区の方が低体重仕上げ区より解糖作用は速く進み,また最終pH値も低い傾向を示した.解糖作用が完全に停止した時の筋肉中グリコーゲン濃度も,高体重仕上げ区が多かった.これらの測定値の差は,仕上げ時体重より,むしろ肥育度が反映したものと推察された.すなわち,脂肪蓄積が進んだ個体ほど死後の解糖作用が速く,グリコーゲン量も多いと考えられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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