ヒツジにおける赤血球NADH-ジアホラーゼ型と鉄代謝関連血液パラメータの関係

概要

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サフォーク(Suf)種およびフィニシュランドレース(Fin)種を対象に,赤血球NADH-ジアホラーゼ(Dia)型の違いによる鉄代謝に関連する血液パラメータの差異を知る目的で検討を行なった.ヘマトクリット(Ht)値とヘモグロビン(Hb)濃度では,Suf種においてF型とFS型はS型に比べ有意に高い値を示した(P<0.05).Fin種ではHb濃度においてDia型間で有意な差がみられなかったが,Ht値でF型はFS型やS型よりも高い値であった(P<0.05).赤血球のDia全酵素活性値は,両品種とも,F型,FS型,S型の順に高く,F型とFS型やS型との間で有意な差がみられた(P<0.01).血漿鉄や総鉄結合能(TIBC)では両品種ともF型がFS型やS型に比べ有意に低い値を示した(P<0.05).いずれもその順位はF<FS<Sであった.赤血球のDia全活性値と血漿鉄やTIBCとの間には両品種ともに有意な正の相関関係がみられた(Suf種の血漿鉄ないしTIBCとではそれぞれr=+0.69,+0.58,P<0.01; Fin種の血漿鉄ないしTIBCとではr=+0.66,+0.59, P<0.01).よって本研究ではヒツジにおけるDiaの遺伝的多型は鉄代謝関連血液パラメータと有意な関連性を持つことが判明した.
社団法人日本畜産学会の論文