豚胆汁中の抗アレルギー成分に関する研究
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概要
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豚胆嚢胆汁中の抗アレルギー成分についての検討を行なった.遅延型アレルギーモデルであるマウス接触性皮膚炎に対する作用を指標として分画操作を行ない,4mg/kgの低用量の経口投与で抑制活性を示す分画Fr-1-D-1を得た.Fr-1-D-1は蛋白質を主成分とする分画で,電気泳動(SDS-PAGEクーマシーブルー染色)的には分子量3万から9万の間の主要3成分から構成されていることが認められた.また,この分画はトリプシン感受性,グリコシダーゼ非感受性であり,60°C,30分間の加熱では活性を保持したが,100°C,3分間の加熱により失活した.さらに,種々のアレルギ-•炎症実験モデルにおける作用を検討したところ,Fr-1-D-1は遅延型アレルギーモデルであるマウス足蹠浮腫に対して抑制効果がみられたが,他の即時型アレルギーモデルならびに単純炎症モデルに対しては抑制作用を示さなかった.以上の結果より,豚胆嚢胆汁中に存在する抗アレルギー成分は遅延型アレルギー反応を特異的に抑制する作用をもつ蛋白質であることが示唆された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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