ウシ体外受精由来胚の染色体分析による性判別率に及ぼすソルコセリンの効果

概要

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体外受精によって得られたウシ胚盤胞-拡張胚盤胞を細胞分裂阻止剤と細胞呼吸賦活剤であるソルコセリン添加培地で培養した後,染色体標本を作製し,X染色体の長さおよび性判別率に及ぼす効果について,その濃度と培養時間を検討した.ソルコセリンを0〜3%添加した0.02ηg/ml podophyllotoxin-vinblastin sulfate加20%子牛血清加Hams F 10でウシ体外受精由来胚を2時間培養し,染色体標本を作製した.0, 0.5, 1, 2および3%のソルコセリン濃度におけるX染色体の長さは,それぞれ4.2, 4.3, 5.0, 9, 8, 4.4ηmであり,1および2%区が0, 0.5および3%区に比べて有意(P<0.01)に長かった.性判別率は,45,58, 76, 48および55%と有意差はなかったが,1%区で高くなる傾向がみられた.また,培地に1%のソルコセリンを添加して1, 2, 3および4時間培養した結果,性判別率はそれぞれ33, 76, 50および50%と2時間の培養で高くなる傾向がみられた.以上の結果,分裂阻止剤を含む培地にソルコセリンを添加して胚を培養することで伸びのある染色体像が得られやすくなり,性判別率が向上する傾向がみられた.