乾乳牛における歩行・走行運動がストレスホルモンほか血液成分,血球数および貪食細胞機能に及ぼす影響
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概要
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歩行・走行運動が血液成分濃度および貪食細胞機能に及ぼす影響を調査するため,繋養したホルスタイン種乾乳牛16頭を用い,2つの実験を行った.実験1ではラウンダーを用いて速度31.5 m/分で40分間の歩行運動を,実験2では円形の運動トラックを速度117-183 m/分で3周する走行運動(およそ2〜3分)を行い,それぞれの運動前(Pre),運動終了直後(PostI)および運動終了2時間後(PostII)の各期における血液成分などの動態を調査した.白血球分画数は実験1では有意な変化はなかったが,実験2では好中球数はPreに比べPostIIで有意に増加した(P < 0.05).血漿コルチゾール,アドレナリン(Adr),ノルアドレナリンおよびクレアチンフォスフォキナーゼ(CPK)の各濃度は,両実験ともに有意な変化はなかったが,実験2では血漿AdrおよびCPKの濃度はPreに比べPostIで上昇傾向を示し,血中乳酸および血漿グルコースの濃度は,それぞれ有意に上昇した(P < 0.05).さらに末梢血化学発光能は,両実験ともにPreに比べPostIIでそれぞれ2倍以上に上昇したことから,運動はウシの貪食細胞の活性酸素産生能を亢進させることが明らかとなった.
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