マウス2細胞期胚における透明帯除去,割球分離または電気融合がその後の卵割時間および発生率に与える影響
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概要
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マウス2細胞期胚において,細胞操作が胚の卵割速度および発生能に与える影響を検討した.1) 透明帯除去,2) 割球分離(透明帯除去後),3) 無処置割球の電気融合,4) 分離割球の集合操作後の電気融合,の各細胞操作を,細胞周期の異なる2細胞期胚前期および後期のそれぞれに対して行なった.さらに4)では前期および後期割球間の電気融合も行ない,これら操作胚の体外培養による第二•第三卵割速度,ならびに桑実胚•胚盤胞発生率を観察した.この結果マウス2細胞期胚において,透明帯除去はその後の卵割時間および登生能にほとんど影響しなかったが,割球分離により第三卵割は1〜2時間遅れ,桑実胚および胚盤胞発生率も低下した.また無処置割球の電気融合では,卵割時間および発生率にほとんど影響は見られないが,分離割球の電気融合では卵割時間の1〜3時間の遅れおよび胚盤胞発生率の低下を生じた.しかし,操作を行なう胚の細胞周期の違いによる卵割速度および発生率の大きな変化は,どの操作においても認められなかった.さらに,2細胞期の異なる細胞周期にある前期割球と後期割球を電気融合した場合,発生ステージとしては遅れている前期割球に同調する傾向がみられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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