各種プロモーターに接続したLacZマーカー遺伝子の培養細胞およびマウス初期胚における発現
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概要
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哺乳動物初期胚を含む未分化細胞における転写調節機構を解明することを目的として,SV40(SV),ヒツジメタロチオネイン1a(MT),マウス白血病ウイルス(LTR)の各プロモーターに接続したLacZ遺伝子をマウス前核期卵,分化培養細胞(Ltk-)および未分化培養細胞(F9)に導入し,LacZ遺伝子の発現をマーカーとして,各種プロモーターの転写活性について検討した.分化細胞では程度の差はあっても,いずれのプロモーターにおいても発現したが,未分化細胞では,LTRを用いた場合に転写の抑制が認められた.マウスの2細胞期胚では,SV(77.2%)とMT(67.2%)で高率に発現がみられたのに対し,LTRでは全く発現しなかった.LacZ遺伝子の発現は注入するDNAの濃度に依存しており,50ng/μlで最も高率に認められたが,濃度の上昇に従って8細胞期への発生率は低下した.8細胞期における遺伝子の発現様式はほとんどの場合モザイクであった.これらのことから,SV40とMTプロモーターはマウス初期胚において外来遺伝子を高率に発現させ得るベクターとして利用しうる可能性が示唆された.さらに,本実験で用いた各種プロモーターは,分化•未分化細胞においてそれぞれ特異的な発現パターンを示すことが明らかとなった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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