性成熟前から5産次まで異なる飼養方式を継続した雌豚の繁殖成績
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概要
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同腹の繁殖雌豚を2種の飼養方式で3年間飼育し,発情と産子成績を比較した.12頭のランドレース×大ヨークシャーの雑種雌豚を育成期(平均体重>60kg)から5回の妊娠•分娩期を通じてストールで単飼または豚房内で3頭ずつ群飼した.各区に同腹豚を無作為に配置し,育成期から発情を毎日調べ,性成熟後2回目の発情および離乳後の初回発情に人工授精または自然交配を行なった.供試豚はすべて,同一の繁殖ステージには同一の飼料を個別給与した.初回発情時の日齢および体重,受胎時の日齢および体重,分娩時の日齢および分娩後の体重,産子数および離乳頭数,子豚の出生時体重および離乳時体重,離乳時の子豚の育成率および離乳後の発情再帰日数について初産から5産まで調べた.平均初回発情日齢は,群飼豚がストール飼育豚よりも24.5日早かった.初回発情から2回目の発情までの平均発情周期は,群飼豚(22.2日)がストール飼育豚(26.0日)よりも有意に短かった(P<0.05).初回交配時の平均体重は,ストール飼育豚(137.2kg)が群飼豚(123.8kg)よりも有意に重かった(P<0.05),平均産子数と離乳頭数は,群飼豚でそれぞれ9.6頭および8.7頭,ストール飼育豚でそれぞれ11.0頭および9.4頭であった.群飼豚の子豚の出生時の平均体重(1.55kg)はストール飼育豚のそれ(1.32kg)よりも有意に重かった(P<0.01).群飼豚の子豚の離乳時の平均体重(7.43kg)はストール飼育豚のそれ(6.37kg)よりも有意に重かった(P<0.01).群飼豚の子豚の離乳時の平均育成率(96%)はストール飼育豚のそれ(88%)よりも有意に高かった(P<0.05).群飼豚の離乳後の平均発情再帰日数(10.8日)はストール飼育豚のそれ(41.0日)よりも有意に短かった(P<0.01).ストール飼育豚では運動器障害と流産の発生が認められた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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