体外で成熟させ,受精させた牛胚の発生に及ぼすEDTAの影響
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概要
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牛胚において,どの発生段階からEDTAが有効に作用するかを明らかにする目的で本実験を行なった.実験1では,体外で成熟させ,受精させた卵胞卵を0.1mM EDTA添加培地と無添加培地で培養した.EDTA添加区の分割率は無添加区のそれよりも有意に低かった.しかし,EDTA添加区の6〜8細胞期,16細胞期および桑実胚から胚盤胞に達した胚の割合は,無添加区の各々に比較してな有意に高い割合を示した.実験2おいては,同じ培地で成熟させ,受精させた卵を,更に,2細胞期まで同じ発生培地で培養し,その後,EDTA添加培地と無添加培地に分けて培養した.EDTA無添加培地で培養した胚は,8細胞期以上には全く発生しなかったが,EDTA添加培地で培養した胚の内,11%は桑実胚から胚盤胞にまで発生した.これらのことから,発生培地に添加するEDTAは牛胚の第1分割後の発生に有効に作用するものと考えられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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寺田 隆登
広島大学生物生産学部家畜生殖学教室
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前田 照夫
広島大学生物生産学部
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ELMILEIK Abdalla
広島大学生物生産学部
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豊園 勝志
広島大学生物生産学部
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寺田 隆登
広島大学生物生産学部
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