チャ葉プロトプラスとの効率的調製法

概要

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チャ[Camellia sinensis(L.)0.KUNTZE]の新葉及び成熟葉から効率的にプロトプラストを調製する方法を確立した。新葉の場合,約100mgの細断した組織を5mの酵素液(pH5.8〜6.0の0.6Mマンニトール中に0.1%ペクトリアーゼY-23,1%セルラーゼRS,0.5%デキストラン硫酸カリウム,0.5mMアスコルビン酸ナトリウムを含む)中で減圧浸潤し,引続き30℃,毎分30往復の振とうを3〜4時間行うことにより,新鮮重1g当り107個前後のプロトプラストが得られた。フルオレセインニ酢酸法により,その75%以上(平均82%)は無傷であると判断した。<BR>成熟葉からの調製には,まず葉片を1%マセロザイムR-10,0.5%デキストラン硫酸カリウム,5mMアスコルビン酸ナトリウムを含む0.6Mマンニトール溶液で処理し,表皮を剥ぎとることが必要であった。次に0.1%ペクトリアーゼY-23,0,5%マセロザイムR-10,1%セルラーゼRS,0.5%デキストラン硫酸カリウム及び5mMアスコルビン酸ナトリウムを含む0.6Mマンニトール(pH5.8〜6.0)中で4〜5時間振とうすることにより,新葉と同等の収量でプロトプラストが得られた。<BR>新葉のプロトプラストは,培地にチャの未熟胚乳液を添加することにより,その2%前後が分裂したが,コロニー形成には至らなかった。
日本茶業技術協会の論文