人工第一胃におけるガス産生像とその飼料価値評価への応用に関する研究 : III.揮発性脂肪酸産生像,とくにそのガス産生速度との関係
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概要
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人工第一胃内におけるガス産生速度とその経時的変化像(ガス産生曲線)が示す基質特異性を揮発性脂肪酸(VFAs)産生能の差異の面から検討するため,そのVFAs産生状況を明らかにし,ガス産生速度とVFAs産生速度との関係を求めるための培養時間条件を定めるとともに両者の関係を検討した.1) 総VFAsおよびその構成各酸(C2,C3,C4)の濃度は,平均ガス産生速度(ml/20min)が基質特異的である培養3時間内において,明らかに無基質槽の場合より高く,その水準は基質により異なっていた.2) 培養4時間内においては総VFAs濃度は経時的に直線的に増大した.しかし,トウモロコシのVFAs産生曲線は培養10時間にいたる場合には直線性を示さなかった.3) VFAs各酸(C2,C3,C4)のmol%は培養4時間内では変化しなかったが,その後の培養9時間時点にいたる間の変化は大きかった.ペクチソは培養9時間後のVFAs産生能においてトウモロコシより高く,とくにC2産生の割合が多かった.4)10 種類の飼料を基質とし,培養期間3時間の実験成績からえられた各基質の正味のガス産生速度(Xml/20min)と正味のVFAs産生速度(YμM/50ml/20min)との関係はY=21.17X+48.35(γ:0.972,p<0.001)で示された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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