加糖練乳の保存中における状態および化学的成分の変化について
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概要
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1. 加糖練乳A,B両工場製品を40Cで保存すると1週間および3週間で明らかに増粘が認められた.室温に1年間保存した場合も新鮮物に比べて粘度はかなり増加した.そのとき高温である方が褐色化の傾向は著しい.これを色度計で測定し観察すると色相およびあざやかさはほとんど変わらないが明るさが減少した.2. 各試料から超遠心分離してえたカゼインミセルをSephadex G-200を用いてゲル〓過を行い,溶出液のパターンを求めると,保存して粘度の増加した場合は高分子量のものの占める割合が増加した.3. 試料を一部希釈してレンネット凝固時間を求めるとき,CaCl2を添加すると凝固時間が短縮されるが,微量の添加で比較すると新鮮物に比べて保存品の方が凝固時間は長い.イオン状カルシウム量の保存中における減少が考えられる.一方酸溶性無機りんは高温保存のものにやや減少の傾向があり,イオン状カルシウムとの関連が推察される.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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遠藤 光春
明治乳業株式会社技術開発研究所分析技術研究部
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野田 勝彦
明治乳業株式会社研究所
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高橋 強
明治乳業株式会社研究所
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野田 勝彦
明治乳業 中央研
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遠藤 光春
明治乳業株式会社
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高橋 強
明治乳業株式会社中央研究所
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