家鴨の淋巴節の組織発生
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概要
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孵化後5日から孵化後180日に到る間の家鴨の頸胸淋巴節と腰淋巴節について発生学的研究を行い次の知見を得た。<BR>1) 家鴨淋巴節を構成する主な要素は淋巴索, 淋巴濾胞, 辺縁帯, 辺縁帯外側の膠原繊維層である。この膠原繊維層については従来の文献では記載があいまいであったがこれを確認した, 然しこれは非常に薄いので被膜と呼んで良いかは疑問である。<BR>2) 孵化後5日では上述の諸構成要素がいずれも存在するが, その構成が簡単である。日令と共に段々と複雑化し, 45日令以後ではあまり変化しない。故に一般構造は30〜45日令で成体の域に達すると思われる。<BR>3) 30日令までは二次小節は見られないが45日令で濾胞の一部に円形に不明瞭な二次小節が現れる。この時期の二次小節には原形質に富む核の明るい細胞と原形質の少い核の暗い細胞とか混在していて周囲の淋巴組織と画然と別れていない。<BR>4) 60日令で二次小節はほぼ明瞭となり. 二次小節を包む繊維性包膜が表れる, この繊維性包膜は哺乳類では見られない所のものである。<BR>5) 90日令で二次小節は60日令のものより更に発達し, 二次小節の中の細胞は原形質に富み核は明るくしばしば分裂像を含む, 又二次小節を包む繊維性包膜も60日令のものより更に発達し, 格子繊維, 膠原繊維を含む, 又二次小節の中の格子繊維は二次小節以外の所に比してその数少く微細である。90日令以後は大した変化なく只二次小節の数が増大した。
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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