日本におけるマイコトキシン対策の現状
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概要
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我が国においては,1971年にアフラトキシンB1の基準値が設定されて以来,約30年もの間,食品のマイコトキシン汚染に対して特段の措置はなされてこなかった.しかし,2001年に開催されたFAO/WHO合同食品添加物専門家委員会の会議を契機とし,日本におけるマイコトキシン対策は急激に活発となった.厚生労働省では,2004年から2006年にアフラトキシン,オクラトキシンAおよびフモニシンの汚染実態調査を行い,この結果より日本におけるアフラトキシンの暴露量が推定された.2007年から2009年にはオクラトキシンAとフモニシンの汚染実態の再調査が行われた.この間,2007年にはカビ毒試験法評価委員会が設立され.これまでにデオキシニバレノール・ニバレノールの同時試験法,総アフラトキシン試験法およびアフラトキシンM1試験法についての妥当性評価が行われた.また,2008年コーデックス委員会で木の実の総アフラトキシンに対する基準値が設定されたことを受け,総アフラトキシンの規格基準値設定作業が行われている. 本稿では,我が国における最近のマイコトキシン対策の現状について,主として厚生労働省の動きを紹介するとともに,農林水産省や食品安全委員会における対策についても簡単に紹介する.
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