Anatomical Therapeutic Chemical Classification/Defined Daily Dose Systemを利用した注射用抗菌薬の使用量と緑膿菌耐性率
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概要
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東海地区の55施設においてAnatomical Therapeutic Chemical classification/Defined Daily Dose systemを使用し,注射用抗菌薬の使用量調査を実施し,カルバペネム系薬の使用量とimipenem, meropenemに対する緑膿菌の耐性率の関係について検討した.2008年度の注射用抗菌薬使用量(13.7 DDDs/100 bed days)は2007年度(12.8 DDDs/100 bed days)より有意に増加した(p=0.010).特に,セファロスポリン系薬(2007年度:5.3 DDDs/100 bed days,2008年度:5.6 DDDs/100 bed days, p=0.028)とグリコペプチド系薬(2007年度:0.4 DDDs/100 bed days,2008年度:0.5 DDDs/100 bed days, p=0.009)の使用量は有意に増加した.一方,2008年度のカルバペネム系薬使用量(1.3 DDDs/100 bed days)は2007年度(1.2 DDDs/100 bed days)と同等であった(p=0.418).これらの結果は,施設間あるいは地域間における抗菌薬使用量の比較が可能なため,標準化された指標として有用であると考えられた.さらに,カルバペネム系薬使用量は,imipenem, meropenemに対する緑膿菌の耐性率と相関しなかった.カルバペネム系薬の使用量増加が必ずしもカルバペネム系薬耐性緑膿菌の増加には至らず,他の要因が関与していることが示唆された.
著者
-
三鴨 廣繁
愛知医科大学附属病院 感染制御部
-
大曲 貴夫
静岡県立静岡がんセンターict
-
村木 優一
東海地区感染制御研究会:三重大病院薬
-
片山 歳也
四日市社会保険病院薬
-
森 健
名城大学薬
-
滝 久司
独立行政法人国立病院機構東名古屋病院
-
村木 優一
三重大学医学部附属病院
-
梅村 拓巳
名城大学薬学部
-
山岸 由佳
愛知医科大学大学院医学研究科感染制御学
-
望月 敬浩
静岡県立静岡がんセンター薬剤部
-
梅村 拓巳
公立陶生病院薬剤部
-
村木 優一
東海地区感染制御研究会
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