無線連絡受信時における鉄道運転士の注意特性

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概要

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本研究は，自列車とは直接関係のない鉄道無線による連絡（以下，無線連絡）に対する鉄道運転士（以下，運転士）の注意特性を検討した．本実験の課題は，視覚課題と聴覚課題を同時に行う二重課題であった．ただし，実験中には背景音として課題とは無関係の無線連絡が提示されており，その後，無線連絡に対する再認課題を予告せずに行った．実験室実験の結果，重要な無線連絡が提示された場合には，視覚課題に対する反応が遅延することが示された．一方，再認課題の結果，重要な無線連絡に関する無線連絡が提示された際，その駅名を再認できる比率が高かった．これらの結果から，運転士は重要な無線連絡に対しては無視することが出来ないという注意特性を持つ一方で，運転上，必要となる情報に関しては自動的に記銘・保持する記憶特性を持つと言える．つまり，運転士は列車運転を行う上で効率の良い特性を身につけていると考えられる．

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