遠紫外分光法による水及び水溶液の分析
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概要
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120〜200 nmの遠紫外(Far Ultraviolet, FUV)領域には分子の外殻電子に関する遷移吸収バンドが観測される.これらは吸収係数が非常に大きいため,これまでは気体や固体表面の反射分光に用途が限られてきた.著者らはこれに対して減衰全反射(Attenuated Total Reflection, ATR)法を利用して液体試料の遠紫外分光が可能な装置を開発した.また,装置の簡便化のために光学系を真空にするのではなく,窒素パージを選択した.これによって液体試料の遠紫外スペクトル測定が容易となり,今まで未知であったスペクトルが次々と明らかになっている.水の第一電子遷移吸収帯もこれによって簡便な測定が可能となったが,その変化は水素結合状態に対して系統的な変化を示すことが明らかになってきた.本論文では水の遠紫外スペクトルの基礎からオンライン分析応用の可能性まで,これまでの成果を幅広く紹介する.
著者
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尾崎 幸洋
関西学院大学理工学部
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池羽田 晶文
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
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後藤 剛喜
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
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森澤 勇介
関西学院大学理工学研究科
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東 昇
クラボウ技術研究所
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