アルコール水溶液中の水の水素結合 : モル吸光係数の拡張概念によるスペクトル解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水に可溶な1価のアルコールの水和について近赤外分光法を用いて調べた.注目した波数域は7000 cm−1付近に観測される水及びアルコールのO–H伸縮振動に起因するバンドだが,水素結合の影響を反映するため吸光度の増減はBeerの法則には従わない.そこで分子間相互作用の効果が顕な場合のスペクトル解釈のため,モル吸光係数の拡張概念である部分モル吸光係数を提案する.更にそこから非理想成分だけを表す過剰部分モル吸光係数を計算したところ,ブロードなバンドに隠れていた水素結合種を特定することに成功した.結果として,アルコール濃度25 mass% 以下では溶質の水和に伴い水の水素結合は強化されること,またそれ以上の濃度では水と溶質はそれぞれドメインに分離した状態に近いことが示唆された.
- 2010-01-05
著者
関連論文
- アルコール水溶液中の水の水素結合 : モル吸光係数の拡張概念によるスペクトル解析
- 遠紫外分光法による水及び水溶液の分析
- 遠紫外分光法による水及び水溶液の分析
- 短波長域を用いた近赤外分光法による非侵襲血糖値測定装置の開発とその応用
- 遠紫外分光法の新展開
- 近赤外分光法
- 赤外・近赤外吸収スペクトルにおける分子間相互作用のとらえ方
- 近赤外分光 I. 概論
- 吸収応答型表面プラズモン共鳴を用いた高感度近赤外分光法
- 液体・固体用遠紫外分光法の開発とその分析化学への応用
- 遠紫外分光法の新展開
- 近赤外分光法による食品分析