内視鏡検査における同時性多発腫瘍の大腸内分布
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概要
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大腸では同時性多発腫瘍の頻度が高いがその局在分布は不明である.今回腺腫患者と癌患者では局在分布に相違があるかを検討した.同時性多発腫瘍を指摘した425例(多発腺腫患者261例,一つ以上の粘膜内癌を含む多発腫瘍患者92例,一つ以上の浸潤癌を含む多発腫瘍患者72例)を対象とした.局在を直腸,左側大腸,右側大腸に3分類し,1区間に限局するものは限局群,2区間以上にわたるものは散在群とした.また直腸または左側大腸を左側群,右側大腸のみを右側群,両側にまたがるものを両側群とした.腺腫,粘膜内癌,浸潤癌の各患者間で各局在群の頻度を比較したところ限局群35.3%,38.0%,48.6%,散在群64.7%,62.0%,51.4%,左側群36.8%,37.0%,58.3%,右側群16.9%,15.2%,15.3%,両側群46.3%,47.8%,26.4%だった.浸潤癌患者で最も限局群の頻度が高く,腺腫患者で最も散在群の頻度が高く,両群間に有意差を認めた(p<0.05).また浸潤癌患者で最も左側群の頻度が高く,両側群の頻度が低かった.腺腫患者(p<0.005)と粘膜内癌患者(p<0.01)に対して有意差を認めた.大腸の同時性多発腫瘍は浸潤癌を含むと局在分布がより狭い範囲に収束し,腺腫や粘膜内癌患者ほど広い分布を示さなかった.
- 日本大腸肛門病学会の論文
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