内視鏡治療後の経過における大腸腫瘍の新生病変にかかわる危険因子の検討
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概要
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大腸腫瘍の内視鏡治療後に再治療を要する5mm以上の腺腫または癌,およびindex lesion(10mm以上の低異型度腺腫,高異型度腺腫,または癌)の発生する危険因子を検討した.5mm以上の腺腫または粘膜内癌を内視鏡治療した患者403例(66.2±9.9歳,1.55:1)を対象としてサーベイランスを行った(観察期間73.9±55.7月,検査回数3.4±1.7回).初回治療における年齢と性別,腫瘍数(単数 vs 複数),サイズ(10mm未満 vs 10mm以上),局在部位(左側のみ vs 右側または両側),病理所見(低異型度腺腫 vs 高異型度腺腫と癌)の項目毎に分類し,累積新生病変発生率および累積index lesion発生率をLogrank検定で比較した.累積新生病変発生率は,男性(p<0.001),複数切除群(p<0.0001),大型病変切除群(p<0.001),右側または両側病変切除群(p<0.05),高異型度腺腫(癌)切除群(p<0.005)で有意に高かった.また累積index lesion発生率は男性(p<0.01),複数切除群(p<0.01),大型病変切除群(p<0.0001),高異型度腺腫(癌)切除群(p<0.0001)で有意に高かった.内視鏡治療後の経過観察では,男性患者で,初回治療の際に病変数が多く,サイズが大きく,高異型度腺腫と癌を切除した場合に,新生病変発生率やindex lesion発生率が有意に高かった.
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