内部告発者保護制度と企業コンプライアンス活動との相互作用 : 米国原子力事業を例として
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
米国の連邦原子力安全規制における内部告発者保護制度の導入は,ECP(Employee Concerns Program)と呼ばれる社内通報体制の導入・整備を原子力事業者に対して促した.これを背景に,近年では,規制主体であるNRC(原子力規制委員会)に寄せられる総告発件数は漸次減少の傾向にある.すなわち,米国原子力安全規制における内部告発者保護制度の導入は,規制システムと企業コンプライアンス(遵法)活動との間の好ましい相互作用を生み出したと言える.NRCに比べて相対的に人的資源に乏しい日本の原子力安全規制にとって,こうした相互作用は,殊に大きな意義を有する.日本においても,こうした相互作用を促進する形での施策がとられることが強く望まれる.
- 社会技術研究会の論文
著者
-
鈴木 達治郎
(財)電力中央研究所 社会経済研究所
-
鈴木 達治郎
日本原子力学会
-
城山 英明
東京大学大学院法学政治学研究科 総合法政専攻
-
田邉 朋行
(財)電力中央研究所 社会経済研究所
-
田邊 朋行
電力中央研究所社会経済研究所エネルギー・環境政策領域
-
田邊 朋行
(財) 電力中央研究所
-
城山 英明
東京大学大学院 法学政治学研究科
-
田邉 朋行
(財)電力中央研究所
-
田邉 朋行
(財)電力中央研究所 経済社会研究所
関連論文
- 原子力安全規制におけるホイッスルブロワー保護制度の日米比較 (公益事業におけるユニバーサル・サービス)
- 米国原子力事業における秘密情報管理と我が国への示唆
- 欧米電力企業における原子力技術の維持・継承戦略
- 東京都ロード・プライシング導入に対する物流関係者の問題構造認識に関する分析
- 規制システムとコンプライアンスとの協働--設計思想なき規制の下での理念なきコンプライアンスは企業を自壊させる (特集 企業倫理コンプライアンスと安全・安心)
- 米国における医療安全・質向上のための法システム―情報収集, 行政処分, 安全・質評価の観点から
- オバマ新政権のエネルギー環境政策 : グリーン・ニューディールの虚実
- 原子力をめぐる国際情勢 : 平和利用と核不拡散の両立を目指して
- 温暖化とエネルギー問題克服に向けて : 原子力への期待とその課題
- ウィンドファームの立地プロセスにおける環境論争のケーススタディ
- ナノテクノロジー研究開発と社会的影響評価--エネルギー分野における課題とわが国にとっての示唆
- ウィンドファームの立地に係わる環境論争と社会意思決定プロセス
- 強靭なエネルギー政策をめざして : 5つの提言(今後のエネルギー供給の課題)
- 米国 MIT 報告書「原子力の将来」とその意味
- 風力発電の立地プロセスにおけるアクターの参加の場と意思決定手続き
- 米国における高レベル放射性廃棄物(使用済み核燃料)処分を巡る政策論議
- 第17回世界エネルギー会議(WEC)に参加して
- 余剰プルトニウム管理・処分の最新動向
- アジアにおける原子力協力の必要性と課題
- 原子力立国にふさわしい原子力法制を : 原子炉等規制法の問題点
- 原子炉等規制法の構造的問題と改善のための立法試案
- ミッション・プログラムI : 安全性に係る知識体系の構築と社会技術の設計手法の開発 (中間報告)
- 原子力安全規制における第三者機関の役割―日仏米の国際比較と制度設計への示唆
- 我が国の原子力規制構造にみる制度的硬直性と潜在的脅威 : ―原子炉等規制法における問題点と改善提案―
- JCO臨界事故を契機とする原子炉等規制法改正の評価と課題
- 原子炉等規制法の課題と今後のあり方
- 物質規制方式の原子炉等規制法への適用可能性について
- 既存不適格住宅の耐震性向上に係る社会技術の研究
- 安全法システムの分野横断比較の試み : 安全法システムの制度設計手法の構築に向けて
- 我が国原子力安全規制における申告制度運用の現状と課題について
- 安全法制度設計における加害者ペナルティに関する論点 : 選択肢とその評価
- 安全法制度設計における原情報収集に関する論点 : 選択肢と考慮事項
- 品質保証や保安責任に形骸化がなかったか
- 我が国原子力事業における従業員信頼性確認制度のあり方と課題--ドイツ及び米国法制度からの示唆
- 原子力事業における内部脅威対策のための従業員信頼性確認と課題
- 原子力事業における秘密情報管理と内部脅威対策--米国の実務例と我が国への示唆
- 質の高い議論ができる職場環境づくりを--精神論だけで終わらせるな (特集 改めて、信頼回復をどう図るか)
- 原子力安全規制と組織コンプライアンス活動との協働--内部告発者保護制度導入の意義及びその改善提案
- 規制システムと企業コンプライアンス活動との協働--米国原子力事業の例と我が国への示唆 (特集 事故調査と安全確保のための法システム) -- (安全確保における民間主体の役割)
- 研究紹介 安全確保に向けての規制システムと企業倫理コンプライアンス活動との協働
- アジア地域における原子力損害賠償枠組みの必要性とわが国法の課題
- 米国原子力事業者における社内通報体制(ECP)について
- コンプライアンス活動にどう取り組むべきか--組織は個人の倫理的判断能力の育成を! (特集 組織的事故・事件から何を学ぶか!) -- (その1 倫理・コンプライアンスの徹底)
- コンプライアンスのカギは「倫理的判断能力」--いかに磨くか,簡単な方法もある (特集 組織的事故・事件から何を学ぶか!) -- (その1 倫理・コンプライアンスの徹底)
- 信頼回復に欠かせないコンプライアンス--トップはもちろん全員が実践を! (特集 組織的事故・事件から何を学ぶか!) -- (その1 倫理・コンプライアンスの徹底)
- 日本の原子力--直面する国際的課題(6)原子力損害賠償条約加盟を巡って--アジア地域に原子力損害賠償枠組みを
- アジア地域における原子力損害賠償国際枠組み構築とわが国の法制度上の課題
- 電気事業におけるコンプライアンスの取組みと課題--実態調査とその分析を通じて (公益事業のニューステージ:構造改革、地球環境、NPOの階梯)
- 組織における技術者倫理実践に関する一考察 : 質の高い議論ができる職場環境づくりを
- 原子力事故と現行原子力法制の課題- 安全規制面からみた再発防止のあり方-
- 有害大気汚染物質の環境法規制動向
- 安全規制における「独立性」と社会的信頼−米国原子力規制委員会を素材として
- 原子力安全規制における米国産業界の自主規制体制等民間機関の役割とその運用経験 : 日本にとっての示唆
- 米国原子力事業者における社内通報体制と我が国への示唆
- 米国原子力事業者における従業員懸念事項報告プログラム(ECP)について
- 米国原子力安全規制における内部告発制度と我が国への示唆
- 米国の原子力安全規制における内部告発制度の実態とわが国への示唆
- 内部告発者保護制度と企業コンプライアンス活動との相互作用 : 米国原子力事業を例として
- 日本における原子力政策の歴史 : 「国策」の変遷と課題
- 米国グローバル原子力パートナーシップ(GNEP)構想 : その目的と課題
- 核燃料サイクル多国間管理への新たな提案 : カーネギー平和財団「核不拡散会議」報告
- イラク・北朝鮮情勢と核査察問題について
- エネルギー技術開発政策と「市民参加」 : 具体的事例をもとに
- 米国同時多発テロと原子力対策
- カリフォルニア電力機器の要因分析:技術,制度的問題点
- エネルギー研究開発総合戦略 日本学術会議 社会・産業・エネルギー研究連絡委員会報告をもとに
- 英国に見る電力規制緩和とエネルギー技術選択への影響
- 有害大気汚染物質を巡る規制スタイルの日米比較--我が国大気汚染防止法への政策的含意を求めて
- 環境技術の社会導入に関する政策プロセスにおける分野横断的ネットワークと公共的企業家機能に関する分析 : 埼玉県越谷市レイクタウンにおける住宅の面的CO2排出削減事業を事例として
- 新葛飾病院における院内医療ADR の取り組み
- 医療事故調査のための第三者機関創設への課題 : ―診療行為に関連した死亡の調査分析に関するモデル事業を素材にして
- 技術導入に伴う社会的合意形成の手法と課題
- 国際的環境保全のための公的資金メカニズム
- EUにおける自動車関連環境規制の政策形成・実施過程 : 技術的基準の形成と変容,設定プロセスとアカウンタビリティーの確保を中心に(欧州統合と民主的統治)
- 企業コンプライアンス(遵法)の確立に資する公益通報制度のあり方について
- 米国における航空事故をめぐる安全確保の法システム : 日本への示唆
- 実効性ある社内通報体制と公益通報制度のあり方--企業コンプライアンスの確立のために
- 米国原子力安全規制における内部告発制度とわが国の課題(最終回)わが国へのインプリケーションを求めて
- 米国原子力安全規制における内部告発制度とわが国の課題(5)内部告発制度が事業者にもたらしたもの--社内通報制度Employee Concerns Program(ECP)について
- JCO臨界事故の損害賠償(補償)処理の実際に見る自治体の役割と課題
- 米国原子力安全規制における内部告発制度とわが国の課題(4)米国原子力安全規制における「告発者保護制度」(Whistleblower Protection System)(2)
- 米国原子力安全規制における内部告発制度とわが国の課題(3)米国原子力安全規制における「告発者保護制度」(whistleblower Protection System)(1)
- 米国原子力安全規制における内部告発制度とわが国の課題(2)米国原子力安全規制におけるNRCの「告発プログラム」
- 米国原子力安全規制における内部告発制度とわが国の課題 なぜ内部告発か,なぜ米国の実情を見る必要があるのか
- アメリカ新判例を読む--日本法へのインプリケーション(34)サウス・カロライナ州知事が州への余剰プルトニウムの搬入に対して差止めを求めた事案--Hodges v. Abraham, 300 F. 423(4th cir. 2002)
- 放射性廃棄物処分における回収可能性
- フランス地域情報委員会の原子力規制ガバナンス上の役割
- 「オールジャパン」による原子力国際展開の課題--業種別国際展開戦略オプションに基づく問題点の抽出と改善提案
- 核セキュリティに関連する国際情勢の動向分析--INFCIRC/225/Rev.5への改定を中心に
- 社会技術の可能性及びそれを担う人材育成の課題 : 第3回社会技術研究シンポジウム パネルディスカッション
- 原子力安全協定をめぐる一考察 : 公害防止協定との比較を通じて
- インタビュー 内部告発者をいかに保護するか 米国では"警告を鳴らす人"を保護--田邉朋行氏に聞く (激震!原子力列島)
- 米国大気浄化法にみる有害化学物質事故放出対策とわが国への示唆
- 有害化学物質の事故放出に対する法規制--米国の例とわが国法への示唆
- 米国におけるダイオキシン類排出規制--1990年修正大気浄化法129を中心として
- わが国における高レベル放射性廃棄物の法的諸問題
- わが国における高レベル放射性廃棄物処分の法的側面に関する一考察
- 北欧3ヵ国における炭素税の最新動向--フィンランド,スウェ-デン,ノルウェ-
- 内外の環境管理・監査の動向とわが国企業への影響
- 債務環境スワップに関する法的諸問題