リンとクエン酸を添加した高活性Co-Mo系軽油超深度脱硫触媒の開発 : (第1報)触媒調製法とその性能
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概要
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本研究では,CoおよびMoの含浸溶液にリンとクエン酸を添加した溶液と,HY-Al2O3担体を用いてCoMo/HY-Al2O3触媒を調製し,その触媒の脱硫活性を調べた。通常の軽油脱硫条件下で活性評価を行った結果,従来の軽油深度脱硫触媒(CoMoP/Al2O3触媒: 500 ppm対応触媒相当品)と比較し,約3倍の脱硫活性を示した。また,パイロットプラントにて長期寿命試験(10 ppm一定運転)を行った結果,経時に伴う劣化は小さく,初期の高活性が安定的に維持されることが確認された。本触媒を商業装置(既存の軽油深度脱硫装置)に全量充填し,実証化試験を行った結果,通常の軽油脱硫運転の条件下でサルファーフリー軽油(10 ppm以下)を生産できることが確認された。触媒の脱硫性能を定量的に評価するために,商業装置にて反応速度論的検討を行った結果,サルファーフリー領域における反応次数は1.2次,活性化エネルギーは100 kJ/molと算出された。
- 社団法人石油学会の論文
- 2005-03-01
著者
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藤川 貴志
コスモ石油株式会社中央研究所分析センター
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木村 洋
コスモ石油(株)中央研究所
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中嶋 伸昌
コスモ石油(株)中央研究所
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加藤 勝博
コスモ石油(株)中央研究所
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桐山 和幸
コスモ石油(株)中央研究所
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橋本 稔
コスモ石油(株)中央研究所
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藤川 貴志
コスモ石油(株)中央研究所
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