超低硫黄軽油製造のための新規CoMo系水素化脱硫触媒の工業化
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概要
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軽油をサルファーフリー(硫黄分10 ppm以下)にすることで,ディーゼル排気ガス中の窒素酸化物や粒子状物質の低減やディーゼル乗用車の燃費向上による二酸化炭素排出量の削減が可能となる。 筆者らは1999年より5年間,軽油超深度脱硫触媒の開発に取り組み,既存の500 ppm対応用軽油脱硫装置でサルファーフリーを達成できる高活性CoMo系脱硫触媒の開発に成功した。開発触媒(C-606A)は,Co,Moを含む水溶液に有機酸とリン酸を添加した含浸溶液を担体(HY-Al2O3)に担持した後,焼成をせずに乾燥で止めるという一連の新たな方法で調製された。この触媒の脱硫活性は従来の500 ppm対応触媒と比較して反応速度で約3倍である。同触媒の脱硫活性点構造を調べた結果,高活性な脱硫活性点(Co-Mo-S Type II)が高分散化していることが推測された。 C-606Aはコスモ石油全製油所の軽油脱硫装置で使用され,大幅な設備を増強することなくサルファーフリー軽油の製造が可能となった。現在まで,いずれの装置でも順調にサルファーフリー軽油を生産している。 今後,二酸化炭素排出量の抑制および設備投資ミニマム化の観点から,本開発触媒技術が広く展開されていくものと期待される。
- 社団法人石油学会の論文
- 2007-09-01
著者
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