^<129>Xe NMRのCo-Mo/Al_2O_3脱硫触媒分析への応用 : ^<129>Xe NMRスペクトルに及ぼす硫化処理の影響
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概要
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Co-Mo/Al2O3脱硫触媒の129Xe NMRスペクトルに及ぼす硫化処理の影響について検討を行った。硫化前においては,Mo/Al2O3やAl2O3の場合,1種類のシャープな129Xe NMRピークが現れたのに対し,Co/Al2O3やCo-Mo/Al2O3などのコバルトを含む試料では,129Xe NMRピークが著しく広幅化した。これは,CoAl2O4やCoOなどのコバルト酸化物の常磁性効果に主に起因している。対照的に,硫化後においては,129Xe NMRピークの顕著な広幅化はこれらの試料では見られなかった。これは,CoAl2O4やCoOなどの常磁性酸化物からCo-Mo-S相やCo9S8などの反強磁性硫化物への変化によって,コバルトの常磁性効果が大幅に減少したためと考えられる。さらに,硫化した触媒のXPS結果から,Co-Mo/Al2O3におけるCo 2pのシャープなピークの結合エネルギーは,Co/Al2O3よりも0.7 eV高くなった。この結果は,コバルトがCo-Mo-S相として表面上に存在していることを強く示唆しており,硫化Co-Mo/Al2O3の129Xe NMRピークが硫化Mo/Al2O3に比べてより低磁場側にシフトしたことと密接に関連している。この結果より,129Xe NMRはCo-Mo/Al2O3脱硫触媒上におけるCo-Mo-S相の形成に敏感であるといえる。
- 2007-05-01
著者
-
藤川 貴志
コスモ石油株式会社中央研究所分析センター
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萩原 和彦
コスモ石油(株)中央研究所
-
海老原 猛
コスモ石油(株)中央研究所
-
浦里 延明
コスモ石油(株)中央研究所
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萩原 和彦
コスモ石油 中研
-
藤川 貴志
コスモ石油(株)中央研究所
-
浦里 延明
コスモ石油(株)
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