オオホシショウジョウバエの腹部背板にみられる 斑紋の変異
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概要
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1. 北海道内13ケ所で採集したオオホシショウジョウバエ D. nigromaculata 9,391個体の腹部背板の斑紋を調査し, それらを, SA, SB, SC, SD, SE, SFの6変異型に分類した.一般にSD型とSA型は普遍的にみられ頻度も高く, SE, SC, SB, SF型の順序に出現頻度が低下している, これら変異型の出現頻度は地方によって異なった.2. 札幌市北大植物園で5月から10月まで行なわれた月別調査ではSA型が夏に, SD型は春と秋に比較的多くみられた.3. 野外から採集してきた各変異型の雌をもとにして, 各型の純系分離調査を行った. そのうちSA型とSD型は7代から8代で固定した.4. SA, SD型間で交雑実験を行なった結果, SD型, SA型に対して単純優性を示した. このことから, この斑紋の遺伝は常染色体上の1対の対立遺伝子によるものといえる.5. 他のSB型, SC型, SE型, SF型の4型については, 変異型分離調査中の分散状態や高温期に明色型が, 低温期に暗色型の多く出現することから環境の影響も考慮される.
- 日本遺伝学会の論文
著者
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