メタノール分解反応を利用した排熱回収発電システム
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概要
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熱回収部の排熱でメタノールを液相分解し,分解生成ガスをパイプ輸送し,熱供給部で直接燃焼させ燃焼熱に変換する液相法メタノールオープン方式についてのプロセス構築とその評価を行った.化学反応を利用したエネルギー輸送システムを研究するには,システム構築に最適な触媒の選定,触媒性能,触媒寿命,触媒の回収および副生物の挙動などを明確にすることは重要な要素である.液相メタノール分解反応実験結果より,メタノールを一酸化炭素,水素に分解することにより低発熱量基準で1.2倍の増熱効果のある液相法メタノールオープン方式のシステム構築に最適な銅–クロム–マンガン–バリウム触媒を見いだした.実験結果をもとに,反応温度473 Kでの反応圧力を5.86–7.07 MPaとし,分解生成ガスの圧力差を利用した膨張タービンおよびカリーナサイクルを組み込んだシステム検討を行い,熱回収系でのシステム効率は59.3–73.4%,カリーナサイクルのシステム効率は10.6–12.2%と試算された.液相法メタノールオープン方式は産業排熱のもつ熱エネルギーを燃料の発熱量という化学エネルギーに高効率に変換し,かつ熱損失のない状態で長距離輸送できるエネルギー資源の有効利用に活用できる方式であることが示唆された.
- 2006-07-20
著者
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矢部 彰
産業技術総合研究所
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矢部 彰
(独)産業技術総合研究所 バイオマス研究センター
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矢部 彰
(独)産業技術総合研究所
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矢部 彰
(独)産業技術総合研究所 中国センター
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竹村 文男
東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻:(独)産業技術総合研究所
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竹村 文男
(独)産業技術総合研究所
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梶山 士郎
(独)産業技術総合研究所 バイオマス研究センター
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竹村 文男
産業技術総合研究所
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